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B to BにおけるCRM活用
2016/4/30
なぜ、B to Bの企業ではCRMの導入が活かせないのか
私たちがお手伝いしている企業の約半数は、B to B をターゲットとしています。
まだまだ、B to Bを対象とした企業では、CRMの活用が遅れていますが、その大きな原因の一つが、「企業」と「個人」は違う。という考えが根強いのだと感じます。
確かに、B to Cに比べ、購入プロセスは複雑になります。
実際にサービス(商品)を利用する人、選択(選定・調査)する人、決定(決裁)権者など、複数の人物が登場し、そのルートも場合に応じて変化しますから、一人の顧客を追うことで成果が出にくいのでは、と考えてしまうのも、無理はないと思います。
このように、なかなか進まない B to Bのマーケティングですが、利用する人、選択する人、すべて「人」が介在することには変わりありません。
私自身は、逆に、「人」を中心とした「誰にアプローチし、誰に共感してもらえるか」「誰にどのような情報を提供するか」
こうした「人」そして「役割としての部門」をターゲットとしたCRMが重要になってくると考えています。
役割としての部門の考え方
少し具体的になりますが、B to B における顧客情報を整理するうえでは、その人が果たしている役割を分類することが必要になります。
名刺上の組織における部門名が参考になるかも知れませんが、情報(もっても適した)提供することを考えると、例えば
- ユーザー(製品/サービスを実際に利用してくれる方)
- 情報を集めている人(企画や購買の担当者など)
- 実際に決裁をする人
のような分類分けを考えます。
名刺上の企業の実際の部門とは別に、自社のアプローチやマーケティングに沿ったカテゴリーを自社の分類として決め、顧客情報を整理できるようにします。
役割に応じた情報提供と関係性の構築
一般の消費者であれば、商品に興味を持っていただき、購入するまで、一人の人の段階(ステージ)を管理していきます。
企業の場合、先に述べたように、ある程度の役割に縛られてしまうため、利用者がどんなに気に入ってくれたとしても、購入障壁は違うところにあります。
それぞれの役割に応じた、アプローチや関係性の構築を考えていく必要があります。
仮に、利用者に対しては、他社事例などを使って、商品の効率性や安全性をアピールしたとしても、購買部門での選択基準は、メンテナンス性や保証、購入後にかかる費用に関心があるかも知れません。
また、決定権者であれば、支払サイトやリースの利用に関する情報などが必要とされているかも知れません。
このように、役割に応じて、情報の内容を変え、提供先を柔軟にコントロールできる-CRMが活用できる事例の一つです。
営業マンのノウハウを情報として蓄積する
B to B の多くの企業では、営業スタッフが担当の顧客を持ち、訪問・面会を繰り返しながら商談を進めています。
もちろん、その間、相手の企業の組織を意識し、交渉相手を考えながら営業活動を行っています。ですから、 先の情報は、すでに営業スタッフは頭のなかに持っているノウハウです。
常に、整理され、段階に応じてアプローチ手法を組み立て上げられています。
それを、整理して情報化するのが、B to BにおけるCRMの活用です。
企業の中の人が整理できたら、その上で、アプローチした人を軸に
- どのくらいの頻度で面会しているのか。
- どのような会話をしたのか
- 商談の進み具合は。
を記録していきます。こうすることで、CRMで営業情報の「見える化」を行い、さらに次のアプローチをしやすくしていきます。
これからのB to Bにおけるマーケティング
企業で商品やサービスを選択するうえで、セールスマンから情報を得ようとする顧客はどんどん減ってきています。
変って、それぞれの役割の人が、ネットやイベントなどを通じて、独自に情報収集をし、自分で判断する時代になってきています。
さらに、あらゆる面で企業がスピード化しています。
良い物があれば、すぐにでも導入したい。そうしたニーズの中で、個別訪問だけに頼っていては機会損失が多くなるばかりです。
より速く、より適した相手に、適切な情報を届けるために、情報化とその活用は大きな課題になってきています。
訪問営業を補完するように、DMやセミナー、メールなどの販促活動を組み合わせて、タイムリーな接触を図る。
うまく、マーケティングツールと連動させることも、CRMを利用して実現することができます。